外壁塗装で失敗しないために!塗料の種類や特徴、塗り方・選び方を解説

2021年6月30日

外壁塗装で失敗しないために!塗料の種類や特徴、塗り方・選び方を解説

マイホームの外壁塗装のリフォームを行なう際に、「どんな塗料を選べば良いか分からない…」と迷っている人も多いのではないでしょうか。

塗料の種類によって耐久性や価格に違いがあるため、塗料を選ぶ際にはそれらのポイントを理解しておくことが大切です。

耐久性の悪い塗料を選んでしまうと、すぐに塗り替えや補修が必要になり、結局高いメンテナンス費用を払うことになりかねません。

質の悪い塗料では、外壁塗装の本来の目的である「外壁の保護」が上手くされず、外壁を劣化させてしまう可能性があります。

特にモルタルの外壁は、ひび割れ(クラック)が起きやすいため、しっかり対処しないと雨水が侵入し、下地を痛める原因になります。

最近の主流であるサイディングの外壁でも、塗膜の劣化による「チョーキング現象」が起こり、外壁材の劣化や腐食に繋がります。

大切なマイホームを健全な状態で維持するために、外壁塗装の塗料の選び方などについてしっかり理解しておきましょう。

外壁塗装の塗料の種類と特徴

外壁塗装の塗料の種類と特徴

それではまず、外壁塗装の主な塗料の種類と特徴について紹介していきます。

外壁塗装で使用される塗料は、含まれている合成樹脂の種類によって分類分けがされています。

代表的な合成樹脂には、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素の4つがあります。

特徴を比較すると以下のようになります。

代表的な4つの塗料を比較

塗料の種類 特徴 耐用年数 施工価格(㎡)
アクリル系塗料 色をはっきりと見せられる。コスト面に優れているが、紫外線に弱く耐用年数は短め。 5年~8年 1,000円~1,300円
ウレタン系塗料 耐水性に優れていて比較的安価。戸建住宅を中心に幅広い建物で利用されている。 7年~10年 1,700円~2,000円
シリコン系塗料 耐久性や耐候性に優れている。汚れや色落ちに強く、防カビ性や防藻性も高い。 10年~15年 2,500円~3,500円
フッ素系塗料 価格は高いが、耐久性や耐候性に優れていて、長期的な外壁保護が可能。主に商業施設などで利用。 13年~18年 3,500円~5,000円

このように外壁塗装の種類はたくさんあり、それぞれに特徴があります。

自身が希望する要望に沿った塗料を選ぶことで、後悔しない外壁塗装を実現できる可能性をグンと高めることができます。

ついつい価格の安い塗料を選んでしまいがちですが、自分の希望を明確にし、適切な塗料を選ぶようにしましょう。

建物面積別の費用相場(2階建て戸建て住宅)

先ほどの表では1平米あたりの施行価格しか記載していないので、「実際にどのくらいの費用が必要になるか分からない…」という方も多いでしょう。

そこで、建坪に応じた施工価格の目安を記載しますので、塗料選びの参考にしてください。

アクリル系塗料 ウレタン系塗料 シリコン系塗料 フッ素系塗料
20坪 9万円~12万円 15万円~18万円 23万円~32万円 32万円~46万円
30坪 13万円~18万円 23万円~27万円 34万円~48万円 48万円~69万円
40坪 18万円~24万円 31万円~37万円 46万円~64万円 64万円~92万円
50坪 23万円~30万円 39万円~46万円 57万円~81万円 81万円~115万円
60坪 27万円~36万円 47万円~55万円 69万円~97万円 97万円~138万円
70坪 32万円~42万円 55万円~64万円 81万円~113万円 113万円~162万円
80坪 37万円~48万円 63万円~74万円 92万円~130万円 130万円~185万円
90坪 41万円~54万円 70万円~83万円 104万円~145万円 145万円~208万円
100坪 46万円~60万円 78万円~92万円 115万円~162万円 162万円~231万円

※係数1.4で外壁面積を算出し、1平米あたりの施工価格をかけて算出しています。

※実際の工事価格は、上記の価格に足場代・養生費・技術料などが必要になります。

外壁の塗り方にはどんな種類があるのか?

外壁の塗り方にはどんな種類があるのか?

外壁塗装の工法としては、ローラー工法・刷毛工法・吹き付け工法の3種類があります。

これらの工法を、塗る箇所や塗料によって使い分けていくことになります。

外壁塗装についての知識を深めるために、塗り方の種類や特徴について知っておきましょう。

ローラー工法

外壁を塗装する際は、基本的にはローラー工法で全体を塗っていくことになります。

ローラー部分は横に長くなっているため、広範囲を一気に塗る事ができ、外壁塗装の作業効率をグッと高めることができます。

塗料を無駄にすることも少ない、とても優れた塗り方ですが、細かいところが塗りにくいといったデメリットがあります。

刷毛工法

刷毛工法で塗装を行なうには高い技術が必要となり、広範囲の塗装に刷毛工法を用いると塗りムラなどの施工不良が多くなります。

一度に塗れる範囲も少なく、広い面を塗装するのに向いていないため、一般的には細かい仕上げや微調整に使われる工法といえます。

吹き付け工法

吹き付け工法は高額の吹付機が必要になるほか、職人確保の難しさ・塗料の飛散や騒音問題などから、ほとんど利用されることはありません。

ローラー工法同様、一度に広範囲の塗装が可能なことに加え、機械を使うため仕上がりが早いという特徴があります。

外壁材との相性も知っておこう

外壁材との相性も知っておこう

外壁塗装のことを考える際は、塗料の種類や価格に意識が向いてしまいがちですが、外壁の素材と塗料の相性もとても重要なことです。

本来であれば耐用年数が10年以上の塗料でも、相性の悪い素材に使用してしまうと「5年も経っていないのにひび割れが入った…」ということも考えられます。

お家に合った外壁塗装を行なうために、外壁素材と塗料の相性について見ていきましょう。

モルタル外壁は弾性塗料でひび割れ防止

弾性塗料とは、シリコン系塗料やフッ素系塗料に硬化剤を入れて、弾力性を高めた塗料のことをいいます。

モルタルの外壁はセメントに石灰や水を加えて作られており、一般的に亀裂やひび割れが起きやすい外壁素材です。

弾性塗料は、塗膜が通常の塗料よりも数倍分厚く伸縮性も高いため、外壁の亀裂やひび割れのすき間を埋めてくれます。

サイディング外壁に弾性塗料は使用NG

最近の住宅には、サイディングの外壁が使われるのが主流になってきています。

サイディングとは、セメント質や繊維質を原料として作られる板状の素材で、加工がしやすく防火、防音、耐久性に優れています。

サイディングには、窯業系、金属系、木質系、樹脂系などの種類がありますが、住宅に使われているものの大半が窯業系のサイディングです。

窯業系のサイディングには、断熱材が含まれているため夏場になるとサイディングの表面はかなり高温になります。

弾性塗料の熱に弱いため、泡状になってしまい見た目が非常に悪くなってしまうことが考えられます。

サイディング外壁に弾性塗料は使用NG

自然の温かみを感じさせてくれる天然木材ですが、木材は空気中の湿度によって伸縮を繰り返すという特徴があります。

周りの湿度が高いときは水分を吸収して膨れ上がり、周りが乾燥しているときは空気中に水分を吐き出し縮小します。

そのため、硬度の高い塗料を使ってしまうと、木材の伸縮に対応できず塗膜が剥がれてしまう可能性が高くなります。

モルタルやサイディングだと10年以上持つ塗料でも、木材に塗ってしまうとたった3年~5年ほどで剥がれてしまうこともあるので、できるだけ柔軟性の塗料を選んだ方が良いでしょう。

まとめ

外壁塗装には、雨や太陽光などから住宅を守るという役割があるほかに、「自分好みのデザインに仕上げる」という大切な役割を持っています。

そのため、塗料の耐用年数や価格、機能にこだわりすぎると、大切なマイホームの外観を損ねてしまう可能性があります。

塗料の種類によっては、不自然なくらい光沢が出てしまう塗料もあるので注意しましょう。

特に天然木材を使った外壁では、木目がなくなってしまうとデザイン性が一気に落ちてしまうことになってしまいます。

一度外壁塗装をしてしまうと元々の質感を取り戻すことは難しいので、事前にしっかり完成後のイメージを持ってから外壁塗装をすることが大切です。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。