建築基準法43条但し書き道路とは?将来的に再建築ができないリスクがあることを知っておこう

2021年6月11日

一般の人にはあまり聞き馴染みのない「43条但し書き道路」という道路。お家の購入や売却をきっかけに興味を持った人がほとんどではないでしょうか?

建築基準法には、建物を建てる敷地は道路に接していなければいけないという「接道義務」というものがあります。

しかし、すべての土地がこの接道義務を満たせるわけではありません。この接道義務を満たすことができない土地のために、43条但し書き道路という規定が設けられています。

この記事では、43条但し書きとはどういうものなのか?どのようなリスクがあるのかについて解説していきます。

接道義務とは?

接道義務とは

43条但し書き道路の説明をする前に、接道義務についてお伝えします。接道義務はその敷地の価値を決める上でとても重要なことなので、しっかり理解しておきましょう。

接道義務とは、都市計画区域に指定されているエリアで建物を建築する際、その敷地が「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければいけない」という規定です。

接道義務のイメージ図

接道義務は日常の交通や緊急車両を進入経路を確保し、人の安全を守ることが目的です。しかし、都市部になるほど住宅密度が高いため、この接道義務を満たせない土地が多くなってしまいます。

接道義務を満たせない土地をそのまま放置してしまうと、あらゆる問題リスクが発生します。

接道義務を果たせない土地が多くなると

  • 都市部の住宅が老朽化し、地震などで建物の倒壊が多発する
  • 土地の活用方法がなくなり、不動産の資産価値が大幅に減少する
  • 新築住宅の需要が減り、住宅業界の経済が停滞する
  • 建て替えがされないため、道路整備が進まない

これらの問題を防止するために、接道義務の緩和策がいくつか用意されており、その内の1つが「43条但し書き道路」の規定ということになります。

43条但し書き道路とは?

43条但し書き道路とは?

43条但し書き道路がどのような場面で用いられているかというと、接している道路が建築基準法上の道路でない場合に用いられています。

建築基準法では43条但し書き道路について、下記のように規定されています。

敷地等と道路の関係

第四十三条 建築物の敷地は、道路(略)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空き地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りではない。(以下略)

つまりその敷地の周囲に通路として使える空き地があり、その空き地を道路として使っても安全だと認められれば、建物の建築が許可されるということです。

ただ43条但し書き道路の申請が許可されたとしても、前面にある空き地が道路として認定されたわけではありません。

あくまで道路として使うことを認められた空き地のため、将来的にもう一度建て替える場合は再申請が必要になるので注意しましょう。

43条但し書き道路の注意点

43条但し書き道路の注意点

道路に面していない敷地でも、43条但し書き道路の申請をして許可されれば建築が可能になります。

それだったら、あまり気にせず購入しても良いのかな?

このように思うかもしれませんが、43条但し書きの物件を購入する場合、いくつかの注意点があります。しっかり調べてから購入しないと、購入してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔することにもなりかねません。

43条但し書きの注意点をしっかり把握しておきましょう。

43条申請には土地所有者全員の同意が必要

43条但し書き道路の申請をするためには、申請する空き地の所有者全員の同意をもらう必要がありますが、土地によっては多人数で共有している場合もあり、同意書にサインしてもらうのに苦労する場面も少なくありません。

相続が発生したまま所有者移転がされていなかったり、引っ越したあとの行方が分からない人がいることも考えられます。同意するための判代を請求されることもあるので、同意書集めは計画的に行う必要があります。

申請しても審査に通るか分からない

土地所有者全員の同意を集めることができ、43条申請を無事にできたとしても審査に通るかは分かりません。もし審査に通ることができなかったらその敷地には建物を建てられないため、活用用途のない土地なってしまいます。

物件の引き渡しを受けた後に43条但し書き道路の申請をした場合、審査に通らなかったら取返しがつかないので、必ず43条但し書き道路の審査に通ることを確認してから、物件の引き渡しを受けるようにしましょう。

購入時の住宅ローン審査が厳しくなる

接道義務を満たしていない土地は金融機関の担保価値がつきにくく、住宅ローン審査が厳しくなってしまいます。

43条但し書き道路の許可が融資条件に付きますし、許可が下りたとしてもローン名義人の属性が良くないと審査に通らないケースも多々見受けられます。

金融機関としては「不動産の担保価値が低いから、その分借りる人の内容をしっかり見よう」ということで、一般的な物件と比べて審査を厳しくしてしまうわけです。

最近では諸費用もローンで借りるケースが多くなりましたが、43条但し書き道路の物件はローンを減額される可能性が高くなってしまいます。

売却時に安くしか売れないリスクがある

これまで説明したリスクがあることから、43条但し書き道路の物件は敬遠されがちです。

特に初めて戸建住宅や土地を購入する人にとっては「よく分からないけど怖いからやめとこう…」というように、43条但し書きというだけで購入対象から除外される場合もあります。

不動産会社の中には、43条但し書き道路に詳しくない業者も多く、43条但し書き道路の許可が下りるかも調べずに、販売資料に「再建築不可」と表記してしまう会社も存在しています。

もし43条但し書き道路の物件を売却する際は、信頼できる営業マンを見つけ、43条但し書きの許可が下りるかを調べてもらうようにしましょう。

まとめ

土地や戸建て住宅を購入する際、その敷地がどのような道路に面しているかはとても重要なポイントです。きちんとした道路に面している敷地と比べ、43条但し書き道路に面している敷地には相応のリスクがあります。

購入時には許可がもらえたとしても、将来的に43条但し書き道路に関する法律が変わってしまい、将来的に建て替えるときには43条但し書き道路の許可がもらえない可能性も考えられます。

43条但し書き道路は一般的に敬遠されがちなため、「安く買える可能性が高い」というメリットもありますが、43条但し書き道路のリスクも踏まえた上で、購入すべきかどうかを判断するようにしましょう。

  • この記事を書いた人
井筒 健史

井筒 健史

20代半ばから不動産業界に従事し、これまで不動産仲介、中古住宅や土地の仕入れ、リフォームや建売住宅の企画など幅広く携わってきました。その経験で培った知識をホームページ上で掲載し、読者の方のお役に立てれば光栄です。