注文住宅やリフォームを検討する際、どのようなキッチンを選ぶか悩む方も多いのではないでしょうか?キッチンには多くの種類があり、それぞれに特徴があるため悩んでしまうのも無理はありません。
本記事では新築やリフォームに関わらず多くの住宅で採用されているキッチンの種類やレイアウトについて解説しますので、キッチン選びに困っている方はぜひ参考にしてください。
目次
キッチンの種類とそれぞれの特徴の違い
それではまず、キッチンの種類とそれぞれの特徴の違いについて解説していきます。キッチンの種類は大きく分けて3つあります。この記事では、キッチンメーカーで有名なLIXILのキッチンを用いてご紹介します。
システムキッチン
キッチンと聞くと、多くの方がシステムキッチンをイメージするのではないでしょうか?新しく建てられるほとんどの住宅で、このシステムキッチンを採用されています。
システムキッチンとは、流し台・コンロ・調理台・キッチン収納などがワークトップという天板で繋がっており、継ぎ目がないのが大きな特徴です。キッチンの種類では圧倒的な人気があることから、主要なキッチンメーカーから多くの製品がラインナップされており、機能やカラー、質感などの選択肢も多くなっています。
又、一言でシステムキッチンといっても色んなタイプが存在しており、L字型システムキッチンやI型システムキッチンなど、住宅の間取りに合わせて様々なレイアウトが用意されています。システムキッチンのレイアウトについては、後ほど詳しく解説していますのでそちらをご参考ください。
セクショナルキッチン
セクショナル(Sectional)とは組み立て式という意味を持っており、セクショナルキッチンとはその名のとおり、流し台や調理台、コンロ台などを自由に組み合わせられるキッチンのことをいいます。
全てが一体となっているシステムキッチンの場合は、キッチンを交換する際にはシステムキッチンを丸ごと交換する必要がありますが、セクショナルキッチンはパーツごとに分かれているため、交換したいパーツだけの交換で済みます。そのためリフォーム時の交換費用を安く抑えることができます。
ただし、全て一体となっているシステムキッチンと比べて、パーツとパーツの間にすき間が生じることで汚れの付着が気になったり、食器洗い乾燥機やオーブンといった調理器具を組み込むことが難しいといったデメリットがあります。
ミニキッチン
ミニキッチンとはその名のとおり、小さめのキッチンのことであり、サブキッチンやハーフキッチンとも呼ばれています。一般的なキッチンでは間口が2500mm前後のものが主流となっていますが、ミニキッチンでは900mm~1500mmほどしかありません。
非常にコンパクトに作られているため、スペースが限られている建物に設置できるというメリットがありますが、その分作業スペースが小さくなっているため、一人暮らし用の賃貸マンションやオフィス等に取り付けられているケースが多くなっています。
その他にも、例えば二世帯住宅を建てる際に簡易的なキッチンを設置したい場合や、生活サイクルが異なる家族がいて、個室にキッチンを設置したい場合には、ミニキッチンを検討しても良いかもしれません。
システムキッチンの種類とレイアウト
システムキッチンには、機能やカラーにたくさんの種類があるとともに、形状にも様々な種類がラインナップされており、非常に多くの間取り・レイアウトに対応できるようになっています。
最近主流の対面式キッチン以外にも様々なレイアウトが存在しています。ここからは、どのようなレイアウトがあるのかをご紹介していきます。
オープンキッチンとセミオープンキッチンの比較
オープンキッチン
対面式オープンキッチンはリビングやダイニングを見ながら調理や洗い物ができるとともに、開放感もあるため最近では多くの住宅で採用されています。家族とコミュニケーションを取れる時間を多くなるのも魅力的です。
リビングと遮られている感覚が少なくリビングに溶け込むようなイメージで過ごすことができ、リビングを広く見せる効果も期待できますが、吊戸棚を設置できないため収納面で少し不利となります。
セミオープンキッチン
セミオープンキッチンは、吊戸棚や壁面によってリビングと部分的に仕切られているキッチンのことをいいます。リビングと適度に遮られていることから、水はねや調理時の煙がリビングまで届きにくいという利点があります。
オープンキッチンと比べると、程よい開放感と独立感が備わっているともに、吊戸棚があることで収納面でも優位となっていることから、キッチンにある程度の独立性と収納力を求める場合にはセミオープンキッチンを検討しても良いでしょう。
アイランドキッチンとペニンシュラキッチンの比較
アイランドキッチン
アイランドキッチンとは、(アイランド=島)という名前の由来のとおり、キッチンが島のように独立しているタイプのキッチンのことをいいます。リビングとキッチンに一体感があるため開放感があり、お洒落なデザインも相まって人気のキッチンとなっています。
調理スペースが広くなっていることから、複数人で調理ができたり、家族とコミュニケーションを取りながら家事ができるという利点がありますが、アイランドキッチンを設置するためには広い空間が必要となるため、相応の大きさの土地が求められるとともに、アイランドキッチン自体が高額で、かつ建築面積も大きくなるため建築費用が高くなる傾向があります。
又、デザイン性を重視するあまり収納スペースが少なくなったり、キッチンが丸見えで来客時に気を使う場面もあるかもしれません。よほど大きな土地でない限り、間取りも制限されてしまうというデメリットがあります。
ペニンシュラキッチン
キッチンが島のように独立しているアイランドキッチンと比べて、ペニンシュラキッチンは片側だけ壁に付いているタイプのキッチンのことを表します。一般的な対面キッチンといえば、このペニンシュラキッチンをイメージする方も多いかもしれません。ちなみにペニンシュラとは英語で「半島」を意味します。
開放感に関してはアイランドキッチンと比べて若干劣りますが、家族とのコミュニケーションを取りながら家事をこなしたり、キッチンとリビングがある程度切り離された空間になっているため、一定のプライバシーを守ることができるという利点もあります。
アイランドキッチンと比べて間取りの自由度が高いため、都心部で建てられる住宅の多くはペニンシュラキッチンが採用されています。
システムキッチンの形状による比較
キッチンには様々な形状のキッチンが用意されており、主にI型キッチン・L型キッチン・U型キッチン・II型キッチンの4種類が用意されています。ここからはそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
I型キッチン
I型キッチンとは、コンロやシンク、調理台等が一列に並んだキッチンのことで、以前から多くの住宅で採用されてきました。一般的なキッチンといえばこのI型キッチンをイメージする方も多いのではないでしょうか。
システムキッチンの中でも最もスタンダードな形で、多くの戸建住宅やマンションに設置されていますが、I型キッチンの大きな特徴としては、省スペースで設置がしやすく、シンプルで使い勝手が良いという点が挙げられます。
主要なキッチンメーカーから多くの商品がラインナップされており、商品の選択肢の幅が広く比較的安価で設置できるのも魅力の一つです。サイズの種類も多く、建物の幅に合わせてキッチンの幅を合わせることが可能ですが、土地の形状によっては小さなキッチンしか入らず、その場合は作業スペースが小さくなってしまうという欠点があります。
L型キッチン
I型キッチンのデメリットを解消したのがこのL型キッチンです。キャビネットをL字型に配置したキッチンで、基本的にはコンロとシンクが90度で向かい合う形となります。I型キッチンと比べて幅を狭くできるため、間口の細い土地形状の建物にも設置することができます。
キッチン内での移動距離を短くすることができる反面、L字型のコーナー部分がデッドスペースになってしまいがちのため、使い方に少し工夫が必要になるかもしれませんが、間口の細い建物に対面式キッチンを設置したい場合にL型キッチンはとても便利だといえるでしょう。
ただしL型になっている分、冷蔵庫や食器棚を配置場所によってはリビングが狭くなってしまう可能性があります。十分なリビングスペースを確保するために、設計時点で食器棚と冷蔵庫の配置場所を考えておくようにしましょう。
U型キッチン
U型キッチンは、キャビネットがU字型にレイアウトされたキッチンのことで、別名コの字型キッチンともいいます。L型の背面に作業台を追加したタイプが多く、シンク・コンロ・作業台が3方向に配置されています。
身体を回転されるだけで各作業ができるため、キッチン内の移動距離を最低限に抑えることができますが、L型キッチン同様、コーナー部分がデッドスペースになりがちなので使い方に少し工夫が必要となるでしょう。
キッチン内がコンロやシンク、作業台に囲まれているため吊戸棚等を設置することで独立性を高めることができます。調理や洗い物に専念したいという方はU型キッチンを検討してみてもよいのではないでしょうか。
II型キッチン
II型キッチンとは、シンクとコンロのキャビネットが並行して設置されているキッチンのことをいいます。セパレート型キッチンとも呼ばれることがあります。
壁側のキャビネットにコンロ、リビング側にシンクが搭載されているのが一般的です。リビングとの一体感があるため家族とのコミュニケーションがとりやすく開放感がありますが、設置するために相応のスペースが必要となるため、建築面積が小さいと設置するのは難しくなってしまうでしょう。
コンロが壁側にあるため、調理中は家族に背を向けることになるとともに、体を180°回転させることが多くなってしまいます。又、シンクで洗った食材をコンロ側に運ぶ際、床に水が垂れやすいとう点にも注意しましょう。
システムキッチンの配置場所による比較
対面キッチン
対面キッチンとはリビングやダイニングに対面する形で設置されたキッチンの総称のことで、開放的で家族や友人と会話をしたり、テレビを見ながら料理や片付けができるため人気のキッチンレイアウトです。
作った料理をカウンター越しのダイニングテーブルに配膳しやすいなどもメリットがありますが、油はねや水はねに注意が必要だったり、調理中の姿が来客に丸見えになることから、あまり料理が得意でない方にとってはデメリットになりうるかもしれません。
キッチンスペースとダイニングやリビングを区切ることができますが、通路の幅を確保する必要があるため、土地の形状等によっては作業スペースが小さくなってしまう可能性があります。
独立キッチン
独立キッチンでは、ダイニングやリビングと切り離された空間にキッチンが設置され、完全に独立した部屋の中で料理や片付けができます。テレビの音声や人目を気にせず料理ができるため、「集中して調理したい」という方におススメのキッチンレイアウトです。
キッチンの周囲が壁に囲まれているため、調理によって発生した煙や匂いがリビングやダイニングに広がりにくいとともに、壁面に収納棚等を設けることで比較的簡単に収納スペースを確保することができます。
反面、一人で黙々と家事をこなすことになるため、家族とのコミュニケーションが取れないことで孤独感を感じたり、他の部屋の様子が分からず、子育て中の方にとっては逆に家事に集中できないといった事態になる可能性があります。
壁付けキッチン
壁付けキッチンとは、キッチンの前面が壁にくっ付いているタイプのキッチンレイアウトを言います。背中を向けて作業をすることから、背面キッチンと呼ばれたり、英語でウォール型キッチンと呼ばれることもあります。
日本では古くから親しまれているスタンダードなキッチンレイアウトですが、収納スペースが少なくなったり、キッチンとダイニングを区切ることができず、キッチンが丸見えというデメリットがあるため、最近では対面キッチンが主流となってきています。
壁付けキッチンの大きなメリットは、限られたスペースでもキッチンを設置できる点にあります。例えば間口が細い建物だったり、建物の大きさの問題で対面キッチンが設置できない場合でも、壁付けキッチンなら設置できる場合が多々あります。
建物の広さ、生活習慣に合ったキッチン選びが重要
ここまでキッチンの種類についてお伝えしましたがいかがだったでしょうか?キッチン選びで大切なことは、まず「建てようとする建物に、どのキッチンなら設置できるか」「キッチンにどのようなことを求めるか」を決めることです。
以前は「家事は女性がするもの」という考えが当たり前でしたが、最近では共働き世帯の増加等によって、「家族みんなで家事をする」という考えが多くなってきているように思います。
家族みんなでキッチンについて考え、自分たちにはどんなキッチンが合っているかを話し合い、実際にショールームなどで体感してみるのが良いのではないでしょうか?
もし、キッチン選びで迷っている方は、当社スタッフが様々なキッチンメーカーのショールームに同行し、お客様に合ったキッチン選びのサポートをさせていただきますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。