相続税対策に不動産が有効とされる理由とは?不動産購入で節税は可能なのか?

2021年7月5日

路線価・実勢価格・公示価格の違い!売却時の不動産価格を決める基準にすべきものとは?

2015年に相続税の税制が改正され、相続財産に対する基礎控除額が「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」から「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられたことで、これまでは相続税の課税対象にならなかった方でも相続対策が必要になる可能性があります。

その影響からか、最近は相続対策として不動産を購入したり、アパートやマンションといった収益不動産を建築して相続対策を行なう事例が多いように思います。

しかし相続対策になるからといって安易に不動産投資を始めてしまっては、大切な老後資金を減らしてしまい、思った通りのセカンドライフを過ごせなくなる可能性もあります。

相続対策で失敗しないためにも、相続対策として不動産を活用する注意点などをしっかり理解しておきましょう。

相続税対策に不動産が活用される理由

不動産が相続対策に活用される理由

それではまず、相続税対策としてなぜ不動産が活用されているのかについて説明していきます。

相続税対策として不動産が活用される理由は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 土地の相続税評価額を減額できる
  • 建物の相続税評価額を減額できる
  • 小規模宅地の特例を受けることができる

どのようなことなのか、順に説明していきます。

固定資産評価額で相続税が計算される

現金を相続した場合は相続税評価額は現金の金額ですが、不動産を相続した場合は、建物は固定資産評価額が相続税評価額となり、土地は路線価方式もしくは倍率方式で計算した金額が相続税評価額となります。

地域によっては固定資産評価額が実勢価格(時価)の50%~60%くらいになっている地域もあるため、1億円の不動産を購入することで相続税評価額を5,000万円~6,000万円まで下げることができます。

アパートや自宅などの建物を新しく建築した場合も同様で、一般的には建築費の50%~60%に固定資産評価額が設定されることが多くなっています。

固定資産評価額で相続税が計算されるため、不動産購入は相続対策として有効といわれています。

賃貸用不動産は様々な減税が受けられる

相続対策として不動産を購入する人の中には、賃貸用不動産の購入を考えている人も多いでしょう。

アパートやマンションなどの賃貸用不動産を相続した場合、建物の相続税評価額は【固定資産評価額 × (1 - 借家権割合 × 賃貸割合)】によって計算されます。

借家権割合は全国一律で30%と定められており、賃貸割合に応じて建物の相続税評価額を下げることができます。

例えば賃貸用マンションの合計床面積のうち20%を自宅として使用していた場合には、賃貸割合は80%となり【固定資産税評価額 × (1- (0.3 × 0.8)】が計算式となります。

又、賃貸用のアパートやマンションを建てて人に貸している土地のことを「貸家建付地」と呼びますが、この貸家建付地にも減税特例が用意されています。

貸家建付地の相続税評価額は【自用地評価額 - (自用地評価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)】で算出することができます。

借家権割合は全国一律で30%ですが、借地権割合は地域によって異なるため、国税庁HPに記載されている路線価マップで確認する必要があります。

建物の相続税評価額は固定資産評価額を基準に計算できますが、土地の相続税評価額はまず路線価方式か倍率方式によって自用地評価額を算出することが必要です。

自用地評価額を計算するのは専門知識が必要なので、相続に強い税理士などに相談するのが最も良い方法でしょう。

小規模宅地等の特例を受けることができる

被相続人(亡くなった方)と相続人(相続した方)が同居していた自宅を相続した場合や、一緒に事業をしていた事業用不動産を相続した場合などには、小規模宅地の特例を受けられる可能性があります。

小規模宅地の特例には、大きく分けて3つの種類があります。

特定居住用宅地等

被相続人が住んでいた建物が建っている土地に適用されます。

特定居住用宅地の概要

限度面積:330㎡ 減額率:80%

この特例を使うためには、以下の3つのうちいずれか1つが該当している必要があります。

  • 被相続人の配偶者が土地を相続する
  • 被相続人と同居親族が相続し住み続ける
  • 被相続人と生計一親族が相続し住み続ける

これらの場合には特定居住用宅地等の特例が適用され、330㎡を限度として相続税評価額が80%減額されます。

特定事業用宅地等

被相続人の個人名義の土地と建物で事業をしていた場合に適用されます。

特定事業用宅地の概要

限度面積:400㎡ 減額率:80%

この特例を使うためには、以下の2つの両方に該当している必要があります。

  • 相続発生前から事業をしている
  • 相続税の申告が終了(申告期限の10カ月)するまで事業を継続している

該当する場合には特定事業用宅地等の特例が適用され、400㎡を限度として相続税評価額が80%減額されます。

相続する土地建物が被相続人が経営する法人名義の場合には、この特定事業用宅地等の特例の対象にはならず、特定同族会社事業用宅地等の対象になります。

貸付事業用宅地等

被相続人が貸していた土地に適用される特例で、アパートや賃貸マンションが建っている土地や駐車場などが対象となります。

貸付事業用宅地の概要

限度面積:200㎡ 減額率:50%

この特例を使うためには、以下の2つの両方に該当している必要があります。

  • 相続発生前から貸付を行なっている
  • 相続税の申告が終了(申告期限の10カ月)するまで貸付を行なっている

該当する場合には貸付事業用宅地等の特例が適用され、200㎡を限度として相続税評価額が50%減額されます。

なお、小規模宅地等の特例が適用されるかは被相続人と相続人との関係性や不動産の状況などによっていくつものパターンが考えられ、一概に適用されるかどうかを判断することはできません。

特に駐車場として貸付を行なっている土地については、空きがあったり、自家用車を停めているかで適用条件も変わってきます。

適用されるかどうかを正確に知りたい場合には、必ず相続に強い税理士などに相談するようにしてください。

相続税対策に有効とされる不動産活用法

相続対策に有効とされる不動産活用法

先ほど説明した相続税の減額特例を踏まえて、不動産を活用した相続対策にはどのような活用方法が考えられるでしょうか?

ここからは、相続対策に有効とされている不動産活用法について解説していきます。

現金で不動産を購入する

相続する財産が「現金しかない…」という場合には、不動産の購入を検討しても良いかもしれません。

現金を不動産に変えることで、相続税評価額を建物は固定資産評価額、土地は路線価方式もしくは倍率方式で計算した金額にすることができます。

現金をそのまま相続するよりも相続税評価額を減らせる可能性が高いため、不動産を購入したり、建物を建築することで相続対策を行なうことが可能です。

更地に賃貸住宅を建築する

賃貸住宅としての需要があり、かつ資金的に余裕がある場合には、更地に賃貸住宅を建築するのも良いかもしれません。

賃貸住宅を建築する事で、先ほどと同様に相続税評価額を下げる効果、小規模宅地等の特例が受けられることに加え、毎年課税される固定資産税の優遇を受けることもできます。

不動産を所有している地域に賃貸住宅の需要があることが前提ですので、需要があるかをしっかり調査しておく必要があります。

収益性の高い不動産に買い替える

不動産が所在している地域によっては「賃貸住宅や駐車場としての需要はないけど、居住用不動産としてなら高額で売却できる」ということも考えられます。

そのような場合には、所有している不動産を売却して収益性の高い不動産に買い替えることを検討してみても良いかもしれません。

先祖から代々引き継いでいる土地などの場合には売却を躊躇することもありますが、相続対策や資産形成としては有効な場面が多々あります。

不動産で相続対策をする際の注意点

不動産で相続対策をする際の注意点

相続対策として不動産を活用する方法について紹介しましたが、その際の注意点がいくつか存在しています。

安易な考えで不動産の購入や賃貸住宅を建築してしまうと、せっかくの相続対策が裏目に出てしまうことも少なくありません。

不動産を相続対策に活用する際の注意点をしっかり理解し、きちんと効果のある相続対策を行なっていく必要があります。

不動産購入時の売買契約書や領収書は必ず残しておく

相続対策として不動産の購入や建築を行なう場合には、必ず契約書や領収書を残しておくことが大切です。

契約書や領収書が残っていないと、将来的に不動産を売却する際に多くの税金を支払うことになってしまいます。不動産を売却することで利益を得た場合、不動産譲渡所得税という税金を支払う必要があるからです。

譲渡所得税の税額は「取得費 - 譲渡費」によって利益額を算出し、その利益額に対して税率を掛けることで割り出されます。正確には減価償却費などを加味する必要がありますが、ここでは説明がややこしくなるので割愛させてもらいます。

取得費とは、不動産価格と購入時にかかった 諸経費を足した金額のことですが、購入時の売買契約書や領収書が残っていないとそれらの金額を証明することができません。

その場合には、取得費は譲渡費の5%として計算することになります。(5%ルールといいます)例えば5,000万円で購入した不動産を、3,000万円で売却したとします。

売買契約書などの書類が残っている場合には譲渡所得税は課税されません。

しかし書類が残っていない場合には、【5,000万円 - (5000 × 5%)= 4,750万円】

この金額に譲渡所得税の税率を掛けることになるため、長期譲渡の場合であっても1,000万円ほどの譲渡所得税を納める必要があります。

相続税を節税できたとしても、譲渡所得税を多く支払うことになってしまっては元も子もないので、購入時の書類は大切に保管しておきましょう。

保険加入などで相続税の納税対策をしておく

相続税は、相続開始の翌日から10カ月が納付期限となります。

相続税は基本的に現金で納めなければいけませんが、相続財産が不動産しかないと納税分の現金を用意ができない可能性も考えられます。

不動産を売却して資金を確保することになりますが、不動産がすぐに売れるとは限らないため、延滞税など余計な税金が課税されるリスクが発生します。

期限付きで不動産を売却しなければいけないため相場より安く売却することになったり、物納によって不動産をそのまま納めることになるかもしれません。

そのような事態を避けるためによく取られている方法が、生命保険を活用する方法です。

生命保険には”生命保険の非課税枠”というものが用意されているため、単純に現金を相続するよりも節税できるという利点もあります。

「不動産を購入して相続税分の現金を用意できない…」という場合には、保険加入を検討してみても良いかもしれません。

どの生命保険でも良いというわけではないので、相続に強い保険セールスに相談するようにしましょう。

賃貸住宅の需要があるかをしっかり見極める

相続対策として賃貸住宅の購入や建築を行なう際には、賃貸住宅の需要があるエリアなのかをしっかり見極める必要があります。

賃貸住宅を購入することは”不動産経営を始めること”といえるので、経営者としての自覚と責任が問われます。

賃貸住宅の需要がないところで不動産経営を始めたとしても、空室ばかりで家賃収入が得られず、資産を目減りさせてしまいます。

安易な考えで不動産経営を始めると「節税分より損をした…」という事態に陥る可能性もあるので、賃貸住宅の需要があるかをしっかり見極めることが大切です。

特に先祖代々引き継いでいる土地などの場合には「このあたりは良い場所だから人気があるはず!」と、自分の土地を過信しすぎてしまう傾向にあるので注意しましょう。

長期的な不動産経営プランを立てておく

不動産経営を始める場合には、長期的なプランを立てておくことが大切です。

賃貸住宅の注意すべき点として「年数が経つに従って、収入が減り出費が増える」という特徴があります。

新築時は、高い家賃設定でも借り手が見つかりやすいですし、設備の故障リスクなども低くなっています。

しかし、10年、20年と時間が経つに従って高い家賃だと借りてくれる人もいなくなり、給湯器の故障や屋根や外壁のメンテナンスも必要になってきます。

借り入れをして賃貸住宅を購入している場合には、金利変動によって返済額が上がってしまう可能性もあります。

学校の廃校や、工場の閉鎖などによって賃貸住宅の需要自体がなくなるリスクもあるため、長期的な不動産経営プランを立てておくことが重要だといえるでしょう。

まとめ

相続対策は税金のことだけではなく、老後の生活や残される人たちとの人間関係などを考慮しながら適切に行なっていく必要があります。

相続対策をきちんと行なうことで相続税を節税するだけでなく、自分の老後の生活を支えることにも繋がります。

家族に相談しながら相続対策をしていくことで家族とのコミュニケーションが増え、家族との絆を深めるきっかけにもなるのではないでしょうか?

相続の話となると何かと敬遠されがちですが、残す側と残される側の双方にとって大切なことなので、しっかり話し合えるといいですね。

又、相続対策には専門的な知識が必要になる場面も多いため、自分だけで抱え込まずに積極的に専門家に相談するようにしましょう。

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