住宅性能表示制度で断熱性能等級「7」が創設!従来の最高等級「5」との違いを解説!

2022年9月24日

住宅性能表示制度で断熱等級「7」が創設!従来の最高等級「5」との違いを解説!

これから新築戸建ての購入を検討している人のなかには「断熱性能が高いお家に住みたい」と思っている人も多いのではないでしょうか?

断熱性能を表す指標として、住宅性能表示制度の「断熱性能等級」がありますが、その断熱性能等級が2022年10月から、これまでの最高等級5から7に引き上げられるということで注目を集めています。

この記事では、そもそも断熱性能等級とは何か?最高等級が5から7に引き上げられることで何が変わるのかなどについて解説していきます。断熱性能等級のことが気になっている人はぜひ参考にしてください。

断熱性能等級とは

断熱等級とは

断熱性能が高い住宅では、夏の暑さを遮ることで室内は涼しい気温が保たれ、逆に冬は寒さを遮ることで室内が快適な気温に保たれます。エアコンの使用量を減らすことに繋がるため、快適な住環境をつくるだけでなく、省エネの側面からも断熱性能の重要性は増しています。

しかし、住宅の断熱性能を目で見て判断することは極めて困難のため、断熱性能を表す指標として「断熱性能等級」が用いられています。

「等級制度」で断熱性能を分かりやすく表示

断熱等級とは、平成12年4月1日に国土交通省が制定した品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づき施行された「住宅性能表示制度」のなかで、省エネ性能を表す等級のことです。断熱性能以外の省エネ性能も含んでいることから、正式名称は断熱(等)性能等級とされています。

住宅性能表示制度が施行された当時は「省エネルギー対策等級」でしたが、制度改正により現行の断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級に分けられました。断熱等性能等級では外壁や開口部の断熱性能と日射遮蔽性能を示し、一次エネルギー消費量等級では、各設備のエネルギー効率を示しています。

住宅性能表示制度の大きな特徴は、専門家が一定の基準で評価を行い「等級1・等級2・等級3」のように等級で住宅性能を表示する点です。こうすることで、一般消費者でも住宅性能が分かりやすくなり、安心して住宅を購入することができます。

住宅性能表示制度については、別の記事で詳しく解説しています。

耐震等級3(最高等級)は必要?住宅性能表示制度で評価される10分野の項目を解説
住宅性能評価書を取得するメリットとは?評価項目や費用相場、等級についてわかりやすく解説

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断熱性能は「Ua値」で定められる

一般的に断熱性能は「Ua値」という数値を用いて示します。Ua値は「外皮平均熱貫流率」ともいい、単位は「W/㎡・K」です。数値が小さいほど熱を通しにくく、断熱性能が高いことになります。

Ua値は、住宅内部の熱が、床・外壁・屋根・天井・窓などの開口部を通じて外に逃げる熱量を、外皮面積の合計で割ることで算出できます。

Ua値計算式

Ua値(W/㎡・K)=住宅から排出される熱量(熱損失量) ÷ 住宅の外皮面積

断熱性能等級を上げるにはどうすれば良い?

上記の計算式を元に考えると、Ua値を下げるためには、「熱損失量を下げる」「住宅の外皮面積を増やす」どちらかの工夫が必要となります。

熱損失量は、使用する部材の種類によって異なります。例えば断熱材の種類、ガラス窓やサッシの種類、外壁材や屋根材の種類ごとに熱貫流率(U値)が違うため、Ua値を下げるためには熱貫流率の低い部材を選択することが重要です。

又、住宅の外皮面積を増やすためには、床断熱ではなく基礎断熱にしたり、天井断熱ではなく屋根断熱にして外皮面積を増やすことでUa値を下げることができます。

【基礎断熱イメージ】

引用元:NaccaDesign HP

【屋根断熱イメージ】

引用元:ホームズ君HP

このように、使用する部材よって熱損失量を下げるとともに、基礎断熱と屋根断熱を採用して外皮面積を広くすることがUA値を下げるために採られている一般的な方法です。

断熱性能等級を上げるメリット

断熱性能を上げるメリット

これまでお伝えしたとおり、断熱性能等級は建築知識があまりない一般消費者の人でも一目で住宅性能が分かるようにした優れた制度です。断熱性能等級を上げることは、住宅の断熱性能に繋がります。

しかし、初めてマイホームを購入する人にとっては「断熱性能を上げることで何が良いの?」と疑問に思っている人も多いと思いますので、ここからは断熱性能等級を上げるメリットを解説していきます。

快適な室内環境で生活できる

断熱性能が高いと外気温の影響を受けにくくなるため、夏は涼しく冬は暖かい室内で暮らすことができます。エアコンを使用する場合でも、空調速度が上がるとともに快適な気温を保つ時間が長くなります。

断熱性能に加えて、住宅の気密性を高めることで効果はさらに高くなります。気密性については別の記事で解説していますので、そちらの記事をご参考ください。

UA値・C値・Q値とは?高気密高断熱住宅に欠かせない数値の意味や違いを解説
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毎月の光熱費を節約できる

先ほどお伝えしたように、断熱性能が高いと外気温の影響を受けにくくなり、エアコンの空調速度が上がるとともに、快適な気温を保つ時間が長くなるため、エアコンやファンヒーターを使用する時間を短くすることができます。

エアコンやファンヒーターを使用する時間を短くすることで、毎月の光熱費を節約できます。さらに光熱費を節約したい場合は、断熱性能だけではなく住宅の気密性も高めるのが効果的です。

補助金や税制優遇を受けられる

断熱性能等級などの住宅性能を上げることで、省エネ住宅の認定を受けることができます。省エネ住宅の認定を受けることで、さまざまな補助金や税制優遇を受けられる可能性があります。

例えば、こどもみらい住宅支援事業として60万円~100万円を受け取れたり、ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業として55万円が支給されたり、地域型住宅グリーン化事業として90万円~140万円の補助金が交付される可能性があります。

その他にも、省エネ基準適合住宅を取得した場合には住宅ローン控除の減税枠が増えたり、登録免許税、固定資産税などの税金が減額されるほか、フラット35で借り入れる場合に金利優遇を受けることもできます。

断熱性能等級を上げるだけでは補助金や税制優遇を受けられない場合もありますが、一般的な住宅と比べると受けやすくなるため、まずは新築を依頼している工務店やハウスメーカーに相談しましょう。

2022年10月から「6・7」の2階級が創設

2022年10月から「6・7」の2階級が創設

断熱性能等級はこれからの住宅に求められる住宅性能として注目を集めており、2022年4月には、それまで最高等級だった「等級4」から「等級5」に引き上げられ、2022年10月には「等級6」と「等級7」が創設され、最高等級が「5」から「7」に引き上げられます。

何故それほどの急ピッチで法改正が進められているのか?これまでの最高等級「5」と「7」の違いは何なのかについて解説します。

最高等級が5⇒7に引き上げられる背景

なぜ最近になってこれほどまでに断熱性能が求められるようになってきたのでしょうか?その背景には色々な理由がありますが、大きな理由としてはSDGsによって2030年までの開発目標が定められ、世界中で環境保護に対する意識が高まってきたことが大きな要因だと考えられます。

電力会社が発表しているデータによると、一般家庭のなかで最も電力を多く消費する家電製品はエアコンとされています。エアコンを作動させるために、火力発電や電子力発電によって電気を作る必要がありますが、それらの発電方法は自然資源の消費や環境破壊につながります。

又、日本は先進国のなかで住宅寿命の短い国として有名です。イギリスが140年、アメリカが100年、フランスやドイツが80年なのに対し、日本の住宅寿命は30年~40年とされています。

これほど日本の住宅寿命が短い原因には色々とありますが、日本は四季があり、湿気の高い気候のため、断熱性能の低い住宅だと結露が発生しやすくなり、内部の木材を腐敗させてしまうことも要因の一つです。

住宅の断熱性能を高めることは、家庭の消費エネルギーを抑制して自然資源や環境の保護に繋がるとともに、住宅寿命を長くして森林などの自然を守ることにも繋がります。

断熱性能等級「5」と「7」の違いとは?

断熱性能等級の「等級6」と「等級7」が創設されることで、これまでと何が変わったのでしょうか?等級ごとに定められている性能の基準を見てみましょう。

等級7 暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね40%削減可能。
等級6 暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね30%削減可能。
等級5 断熱性能等級より上位の「ZEH基準」相当が断熱性能等級5になる。断熱材や窓ガラスなどは、断熱性能等級4以上に高いレベルの断熱が必要。
等級4 1999年制定。「次世代省エネ基準」といわれ、壁や添乗だけでなく、開口部(窓や玄関ドア)なども断熱が必要。
等級3 1992年制定。通称「新省エネ基準」といわれ、一定レベルの省エネ性能を確保。
等級2 1980年制定。かなり以前の基準なので省エネのレベルは高くない。
等級1 上記以外

断熱性能等級は各地域によって求められるUa値が異なります。例えば断熱等級4を取ってみても、北海道では0.46以下のUa値が求められるのに対し、関東では0.87以下で断熱等級4に認められます。これは、寒い地方の方がより高い断熱性能が必要になるという考え方からきています。

引用元:GOODTHINGS

なお、HEAT20とは、2009年に住宅業界の関係者や研究者などによって発足した団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が発表している断熱基準のことです。

HEAT20については別の記事で詳しく解説しているのでそちらをご参考ください。

高断熱住宅の基準「HEAT20」とは?G1・G2・G3の違いや基準内容を解説
高断熱住宅の基準「HEAT20」とは?G1・G2・G3の違いや基準内容を解説

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地域によって最適な断熱性能は異なる

断熱性能を高くするためには、断熱材やドア、サッシを断熱性能の高いものにしたり、基礎断熱や屋根断熱にすることでUa値を下げる必要がありますが、それらには当然のことながら費用が必要になります。

過剰スペックにしてしまうと費用が無駄になってしまう可能性もあるため、地域に応じて最適な断熱性能を考える必要があります。

最適な断熱性能を考える基準は、HEAT20の「地域区分」で紹介されています。

引用元:IBECs

上記の表は、2022年3月以前の基準である断熱等性能等級4を基準に作られています。現在では、「等級5」「等級6」「等級7」が用意されていることを踏まえ、少なくとも等級5(ZEH基準)以上での断熱性能を備えておいた方が良いでしょう。

断熱等級の高い住宅で快適な暮らしを実現

本記事では、最近注目を集めている断熱性能等級についてご紹介しました。今回の記事では、断熱性能に絞り込んでご紹介しましたが、断熱性能に加えて気密性の高い住宅に住むことで、さらに快適でエコな暮らしを実現できます。

当社では、断熱性と気密性にこだわり、ZEH基準を上回る「HEAT20 G2グレード」を標準仕様にしています。又、OMXソーラーをはじめとした太陽光発電システムの普及にも取り組み、家庭内で消費する電力を家で創電する電力で賄える「REAL ZEH」の住宅を目指して日々邁進しています。

大阪・兵庫で断熱性・気密性の高い住宅を建てたい方はぜひ一度当社までご相談ください。それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

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